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次世代へ伝えたいのは五感を研ぎ澄ませること。

次世代へ伝えたいのは五感を研ぎ澄ませること。

叔母がレストランを経営していたことで料理人を志したミカエル・ミカエリディス氏。各国のレストランで経験を積み、モナコのル・ルイ・キャーンズではアラン・デュカス氏の下で腕を磨いた。2012年にジョエル・ロブション氏から香港の店を任され、その後のシンガポールの2店ではエグゼクティブシェフとしてミシュランの二つ星と三つ星を獲得する快挙を成し遂げた。

感性に訴えかける料理で期待を超える驚きを与える

「教えてもらったことはたくさんあり、挙げるとすれば料理人として謙虚であること。そして、料理を作る際の厳密さや正確性、食材に対する尊敬の念。最も影響を受けたのはオープンキッチンというコンセプトでした」と、ロブション氏のチームに入ってからの8年間を振り返る。ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブションで導入されたオープンキッチンは革新性の象徴になり、シェフと顧客との距離を近づけ関係性を大きく変えた。その中で学んだことが、料理を提供する相手には常に喜びを与えることだった。「私の作る料理は繊細で感性に訴えかけます。というのも常にお客様を愛し、喜んでもらうことが自分たちの喜びにも繋がるからです」と、精神性をさらに磨き上げる。ジャマン時代から同じ料理を作り続ける一方で、同じ料理でも真空調理などの新しい技術を積極的に研究して取り入れたロブション氏。「こうした伝統を継承するために、次世代へ伝えたいことのひとつが五感を研ぎ澄ませること。フランス料理の基礎を教えることで五感が磨かれ、料理をどのように極めていけばいいのかが見えてきます」そんなミカエリディス氏は母親がオランダ人だったため、日頃からビールを飲むという。「ヱビスビールはエレガントで香り高く、プレミアムな味わい。多彩な味がそろっている点からもお客様の声を聞こうとする姿勢が感じられ、私たちの仕事の姿勢と共鳴するものを感じます」と、両者を比べた。料理は創造に加え、新しい味を開発することも大切だと説く。それは顧客に愛情を持って接することで、これからも実現していくのだろう。

1.「松茸 グリエにし、キャビア・ド・オーベルジーヌとパルメザンチーズのコポーを添えて」。グリルした松茸に焼きナスのピュレという、素材のよさを引き出すロブション氏のスタイルを踏襲。

2.ゴールドとブラックを基調としたガストロノミー “ジョエル・ロブション”。シャトーレストラン ジョエル・ロブションはシャトー内にある複数の店で構成される。

3.シンガポールから日本に来て2年。ロブション氏から受け継いだ正確な仕事で美しい料理に仕上げる。


シャトーレストラン ジョエル・ロブション
●東京都目黒区三田1-13-1
恵比寿ガーデンプレイス内
☎03-5424-1338
12時~13時30分L.O. (土・日・祝のみ)
18時~21時L.O.
https://www.robuchon.jp/

ミカエル・ミカエリディス Michaël Michaelidis
シャトーレストラン ジョエル・ロブション 総料理長
●1982年フランス・カンヌ生まれ。香港のラトリエ ドゥ ジョエル・ロブションのシェフ、シンガポールのジョエル・ロブション レストランとラトリエ ドゥ ジョエル・ロブションのエグゼクティブシェフを経て、2017年にシャトーレストラン ジョエル・ロブションの総料理長に就任。

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