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涼やかな清流で育った、若アユの香気を味わう。

涼やかな清流で育った、若アユの香気を味わう。
全国でも有数の透明度を誇る四国の仁淀川。その澄み切った川の青色は「仁淀ブルー」と称され、人々の心を癒してくれる。8月から年明け1月までが見ごろ。torigatayama / PIXTA(ピクスタ)

気温の高い夏日が続くようになると、渓谷から流れてくる涼やかな清流が恋しくなる。そんな河川に生息しているのがアユであり、惚れ惚れするほど優美な姿をもち、高貴な印象すら与える。わずか1年で一生を終える「年魚」ということを知れば、そのはかなさも心情的な魅力になるのではないだろうか。

秋から冬に孵化した稚魚は、海に下って動物性プランクトンをエサに成長。翌年春に川を遡上し、底の珪藻を食べるようになる。この食性から、一般に出回っている養殖物にはない、天然アユ独特の香気を身に付けるといわれる。

川底まで見通せる、清流ならではの風味。

漁の解禁は元気な若アユとなった6月1日から10月半ばまで。四国の四万十川が有名だが、その北東を流れる仁淀川でも漁が行われている。あまり知られていないが、全国でもトップクラスの透明度を誇る河川だ。いわば天然アユの穴場だが、高級魚であることに変わりはない。

前述したように、スイカに似ているとされる香気が特長であり、6〜7月に漁獲された若アユの体長は15㎝前後。流線型の美しい体には、胸びれの後などに鮮やかな黄色の斑点がある。

魚は刺身が最上とされるが、アユだけは例外で塩焼きがベストとされている。今回のレシピもそれに従って、炭火焼きとした。

立ち上る芳香と、ほくほくした食感がもたらす風味は、底まで見通せる透明な清流を想わせる。それが口内で溶けていく感覚に絶妙にマッチングするのが、コクの深いヱビスビールだ。ホップの香味豊かな苦みと、のどを抜けた後に鼻の奥で感知される「後香(あとか)」が、若アユの味をより深いものにしてくれる。

夏場が「旬」の若アユには、キメ細かな口あたりのプレミアムビールがよく似合う。洗練された繊細な香味が楽しめるヱビスビールとともに、冷涼な川面を感じていただきたい。

若アユ
アユの塩焼きは内臓も一緒にいただこう。ビタミンAの宝庫で、鉄や亜鉛、銅にマンガンなどのミネラルも豊富。代謝機能を促進するなどの効果がある。独特の風味と軽い苦みを味わいながら、コクの深いヱビスビールで喉を潤したい。

アユの塩焼き

材料

  • 鮎/6本
  • 塩/適量
  • たで/適量

つくり方

  1. アユは肛門の近くを軽く押さえて糞を出して水洗いする。
  2. 金ぐしを打つ(のぼりぐし)。
  3. 尻尾とヒレに化粧塩をして全体に軽く塩を振り、炭火で両面に焼き色を付ける。

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