一般にビールのつまみと聞いて連想するもの、それは焼肉、焼き鳥、唐揚げ、餃子!
つまり、肉、にく、ニク!のはず。
いや、わかります。溢れる濃厚な肉汁とともに楽しむ、黄金のビール。そりゃあ美味しいに決まっています。が、ビール好きとしての年輪を重ね、酸いも甘いも嗅ぎ分ける上質なビール飲みなら、もう少し広い視野で「野菜おつまみ」を選んでみるのもいいのではないでしょうか。

片手には、麦の美味しさがギュッと詰まったヱビスビール。片手には、みずみずしい旬の野菜。なんだか聞いているだけで「わかっている」感じがしてきませんか。今回は、野菜ソムリエでありビアジャッジの中村祐輔さんを講師に迎え、みなさんをビールと野菜の魅惑の世界へとご案内しましょう!

絶品レシピとの出会いで「野菜観」が変わった

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野菜とビールのエキスパート
野菜ソムリエ・ビアジャッジ 中村祐輔さん

野菜・果物の魅力を伝える「野菜ソムリエ」の資格とともに、日本でわずか200人ほどしかいない「ビアジャッジ」(「ビアテイスター」の上位資格)、ビールと料理の組み合わせ方をアドバイスできる「ビアコーディネイター」の資格を保有する料理研究家。ビアコーディネイターの知識を活かし、野菜と果物の魅力をいままでにない側面から伝える異色のエキスパートだ。

ーまずそもそも、焼肉、焼鳥のような「肉とビール」の組み合わせに比べると、「野菜とビール」はいまいちピンとこないのですが・・・。

中村:どうしても生野菜の青臭さ、苦さをイメージしてしまうからでしょうね。ビールと組み合わせるのは、なにも生野菜でなくてもいいんです。いろんな食べ方、味わい方があるのが野菜の魅力。僕自身も野菜ソムリエになってから、それまで食べたことのなかった数々の絶品レシピに出会えたおかげで、野菜のイメージが変わりました。そして、野菜の知識、調理法のレパートリーが増えたことで、以前から愛飲していたビールとのマッチングをもっと知りたい、奥深き野菜おつまみの世界を開拓したい、と思うようになり、その後ビアコーディネイターの資格を取ることにもつながっていったんです。

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味と香りの繊細さが際立つ「ナスの揚げ浸し」

ー中村さんの心を動かした野菜おつまみ、すごく気になります。

中村:けっこう地味なのであんまり期待されるとプレッシャーなのですが(笑)、「ナスの揚げ浸し」です。揚げてからのポイントは、醤油を使っためんつゆではなく、白だしに浸すこと。これは、繊細な味を引き立てるヱビスビールとのマリアージュだからこその工夫です。最後に軽く山椒をふると、ヱビスのほのかで上質なスパイシーさを彩ってくれます。ナス以外に、ズッキーニやれんこんで揚げ浸しをつくっても、独特の歯ごたえが出ていいと思いますね。食卓のアクセントにもなります。

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ーぜひ中村さんに目の前で調理していただきたかった・・・。

中村:簡単ですから、ぜひ自宅で試してください。野菜の旨みとヱビスの心地よい苦味、野菜の土っぽい香りとヱビスの華やかな香りの絶妙なマリアージュ。この揚げ浸しに限らず、ヱビスビールのおつまみにはクセが少ない野菜を合わせるのがいいと思いますね。たとえば、クレソンのようにクセの強すぎる野菜はビールの香りを殺してしまいます。

枝豆とヱビスプレミアムブラックが切り拓く新境地

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ー野菜の好き嫌いにかかわらず、なぜか枝豆は広く日本人のビール飲みに愛されていますよね。何でなんでしょう?

中村:まずは塩味がノド越しの良いビールに合う、ということだと思います。ただ最近では、アルコールの分解を助けるビタミンB1やビタミンC、メチオニンが多く含まれることが広く知られるようになり、カラダにいいからという理由でおつまみに選ぶお酒好きの方も増えているようですね。ちなみに、今回あらためて枝豆とヱビスビールの関係について考えてみたのですが、新発見がありました! 枝豆と「ヱビス プレミアム ブラック」。この組み合わせから、口の中で想定外の「ロースト感」、上質なスモーキーさが生まれるんです。大人の新しい味わいですね!

ーそれでもやっぱり、ビールと野菜おつまみの組み合わせはイマイチかも、という方はいると思うんです。そんなときの「裏ワザ」なんてありませんかね?

中村:それはもう、野菜のソース化でしょうね。お好きな肉や魚をメインとして、たとえばニンジンをミキサーにかけて、オリーブオイルと塩、オレンジ果汁を加えるだけで、絶品ソースのでき上がり。中華料理のネギソースと同じ発想です。ミキサーなんて持ってないという方は、おろし金もオススメです。独特の歯ざわりが残り、香りもより高く立つので、ミキサーとはまた違った楽しみがあります。

ズバリ、野菜は「旬」で選べ!!

ーいますぐ帰って、「ヱビス+野菜おつまみ」を試したくなってきました。いや、帰る前に野菜を買わないと。おつまみに使う野菜の目利きのコツも、教えてもらえませんか?

中村:大事なことですね。僕も家族のために毎晩料理をするのですが、そんな私のスーパーでの買い物経験から、ズバリ野菜は「旬で選べ」と言いたいですね。旬を過ぎた野菜はエグみやシブみが出てきて、ビールの渋さとよくない相乗効果を生みます。手に取ってみて、色合いが生き生きしていないものは旬を過ぎていることもあるので、避けてほしいですね。季節ごとにいちばん美味しく食べられる旬の野菜は、数が出まわるので値段も安くなるんです。家計にも優しくていいですよね。

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野菜ソムリエが教える野菜を美味しく味わえるビール

ー今日はビールに合う野菜おつまみについてお話をうかがいました。最後にもうひとつ。反対に、野菜おつまみに合うビールって、あるんでしょうか?

中村:じつは、ヱビスビールはいろんな意味で野菜おつまみとの適性が高いんですよね。飲む直前の香りが心地よく、嫌なクセがなくマイルドで、口に含んでからはフラワリー(華やか)な印象です。後味は苦みにカドがなく、さわやかに消えていく。こういうビールは、前菜やサラダのような味つけの淡い野菜料理にまで合わせられます。コショウや山椒のような香辛料(ふりすぎ注意!)と、ヱビスビールの奥深い味わいが絶妙にマッチするんです。

ーヱビスビールならではの楽しみ方ですね!

中村:苦みが際立つビールの場合、繊細な香りや味わいを消してしまう面があります。その点、ヱビスビールの苦みのまろやかさは群を抜いていて、調味料をちょっと加えただけの野菜でも、香りと味が引き立つし、ビールそのものとも呼べる上質な麦の甘み、使われている水の美味しさまで感じられます。ストレートに「野菜おつまみをとくに美味しく味わえるビール」だと感じます。

―今日は中村さんの野菜とビールへの愛、たっぷり感じました。

中村:いまさらなんですが、僕、ずっと野菜が苦手だったんです。とくにナスは見るのも嫌でした。ところが、さきほどご紹介した揚げ浸しをあるお店でいただいたときから、急にナスが食べられるようになったんです。揚げ浸しと出会えなかったら、ビールとのマッチングにも出会えなかったと思います。

ー野菜おつまみ、偉大なり! 今日はありがとうございました。