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よく耳にするけれど実はよく知らない、
そもそも「コク」って何ですか?

よく耳にするけれど実はよく知らない、<br>そもそも「コク」って何ですか?

グイッとビールを飲んだとき、つい口にしがちなのが「コクがあるね~」。最近では、乳製品やキムチ、調味料やレトルト食品などの商品名にも登場しています。でも、そもそも「コク」とは何なのでしょう。私たちは何を「コク」だと判断しているのでしょうか。味のわかる人ほど気になる、奥深い「コク」の世界へご案内します。

古くから存在した、「コク」という言葉。

古くから存在した、「コク」という言葉。

「コク」とは、昔からおいしい料理を表現する際に使われていた言葉です。その語源は「濃く」、あるいは、穀物が熟したことを意味する中国の言葉「酷」だと言われています。しかし、食べ物のおいしさとの関連性は、まだ解明されていません。

近年になってようやく研究が進み、「『こく』は、味、香り、食感に関する複数の刺激で生ずるものであるが、それらがバランスよく与えられ、濃厚感(複雑さ、あつみ:complexity)、持続性(lastingness)、および広がり(mouthfulness)がある時に感じられる味わいである」(西村敏英氏の論文【食べ物のおいしさに関わる「こく」とは】臨床栄養, 119(6), 616-617, 2011年より)と考えられるようになりました。たしかに、カレーのとろみにはコクを感じるものの、鼻をつまんで食べてしまったら、感じていたコクは半減することでしょう。コクとは複合的なもののようです。海外でも、すっかり定着した“umami”に次いで“kokumi taste”という言葉が認知されているようです。

さらに、アミノ酸の一種である「グルタチオン」には、コクを付与する効果があることがわかってきています。グルタチオンは玉ねぎやニンニクなど多くの食品に含まれていますが、それ自体に味はないそうです。

ところで、コクとともによく使われる言葉が「キレ」。キレは、口にした後に感じる味の強度が激しいことを指します。つまり、飲んですぐに苦みを感じ、強烈な後味が続くようなビールは「キレがある」とされ、そのようなビールには炭酸ガスやアルコールが多く含まれている傾向にあります。

「コクがある=おいしい」、ではない?

よく勘違いされるのですが、コクとおいしさとは、必ずしも同義ではありません。たとえば、生野菜や果物にコクはあまり感じないかもしれませんが、おいしいと感じることはあるでしょう。おいしさとは、あくまで主観的な評価になるのです。

一方で、コクは誰が食べても感じられる濃厚さやとろみによって、もたらされる感覚です。それをおいしいと思うかどうかは人それぞれです。実は、コクは定量的な数値として測ることができるのです。

飲んで満足を感じる、コクを追い求めて。

飲んで満足を感じる、コクを追い求めて。

コクを測ることのできる『コク・キレセンサー』という装置を開発したのが、静岡県焼津市にあるサッポロビール価値創造フロンティア研究所です。人工の舌に見立てたセンサーに、ビール希釈溶液を流して科学的に計測。苦みなどの味成分がセンサーに「吸着する量」をシミュレートし、「コク」の受容を仮説づけるのだそうです。この装置でコクがあると評価されたビールは、サッポロビール社内における、人の舌による官能検査でも同様の結果を得ています 。

一般に、ビールのコクは、使う麦芽の質や量に関係があると考えられています。しかし実際には、麦芽の粉砕や発酵時間の長さによっても、ビールの味はすぐに変化します。

ヱビスビールに用いる「ヱビス酵母」は、ヱビス専用の酵母。選び抜かれた麦芽、ホップとの相乗効果、そして細かく吟味して見つけ出した発酵の度合いによって独特の「ヱビス香」を生み出しています。この香りが余韻をつくりだし、ヱビス特有の深いコクを生み出しているのです。

※注:本文中、最後に掲載した写真はコク・キレセンサーを写したものではありません

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