日本が誇る、100年続いたプレミアム

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「おふたりで、ご結婚の報告をしてくださった常連さんがいました。次はお子様が産まれたり、成長したご様子……。いつまでもこうした物語を聞かせていただける場所にしたいです」バー「オーク」でバーテンダーを務める大野琢治さんは笑顔でこう語った。東京駅の中にある東京ステーションホテルは今年の11月2日に開業100年を迎える。「リビング・ヘリテージ(使い続ける文化財)」と称される建築物の中に位置する老舗だが、サービスや姿勢は常に未来へ向いている。「帰ってきたよ」とホテルを訪れ、「また来るから」とスタッフに言い残す宿泊客が幾人もいるというのも、そのためだろう。開業100周年のコンセプトが「過去の記憶を分かち合い、未来への記憶を紡ぐ」であることにも頷ける。まだ34歳の大野さんにとって、常連客のほとんどは人生の先輩だ。この道に入ったのも、同じバーで働く伝説のバーテンダー、杉本壽さんに憧れたことがきっかけ。100年前の赤レンガに囲まれた店内で、今日もカウンターに立っている。

時を重ねたバーには、伝統のビールがよく似合う。

「オーセンティックで重厚感のあるオークの雰囲気に合わせ、プレミアムビールであるヱビスの生ビールを中心に提供しています」と大野さん。東京ステーションホテルと同じようにヱビスビールも100年以上、日本人に愛されてきた。共通するのは、伝統に培われた「本物」であること。「ホテルがここまで続いているのは、やはりニーズがあったからこそだと思います。お客さまのために何ができるかを考え、つくり続けてきた結果なのだと。先人たちが築いた100年の積み重ねそのものに、価値があると思います。ヱビスビールの伝統や信頼感も、その積み重ねから生まれているのではないでしょうか」今晩も黄金色のヱビスビールが映えるバー「オーク」のカウンター。100年という時間に磨かれた価値を味わうために、たくさんの人々が、この場所に帰ってくる。

東京ステーションホテルTHE TOKYO STATION HOTEL
●国内で唯一、重要文化財への宿泊を体験できる東京駅丸の内駅舎の中にあるホテル。ライトアップされると赤レンガのホテルがさらに威厳を纏い、100年の歴史にふさわしい風格になる。ホテルの名物バー「オーク」のお薦めはオリジナルカクテルの「東京駅」。バーテンダー、大野さんの凛とした立ち姿が印象的だ。