今日も一日お疲れ様でした。
あなたの残るミッションはグラスにヱビスを満たし、至福の晩酌を楽しむことにあり!
えもいわれぬコク、きめ細かな泡の食感、そして芳ばしい香り。いや、それだけではありません。グラスの中に広がる、なんともリッチな黄金色。眺めているだけで、一日の疲れが吹き飛んでしまいそうです。しかし、グイッとグラスを傾ける前に冷静に考えてみると、黄金色って一体なに?

ビール好きならば、思わず喉を鳴らす魔法の色。のみならず、多くの人が美しく貴重と感じるその不思議な色、黄金色。今日はグラスを満たす黄金色の秘密を、化学を専門とするサイエンスライターの佐藤健太郎さんと一緒に考えてみました。

錆びず、劣化せず

2016_41_01

科学に詳しい人
佐藤健太郎さん


1970年生まれ。東京理科大学理学部応用化学科卒業後、東京工業大学大学院にて有機合成化学を学ぶ。修了後、製薬会社で研究職、東京大学大学院理学系研究科広報担当特任助教等を経て、サイエンスライターとして独立。科学、特に化学分野の圧倒的知見を背景に、雑誌、webメディアなどで幅広く活動する。

-黄金色、そして、そもそもの物質としての黄金とは、なぜにこんなにも人の心を惹きつけるのでしょうか。

佐藤:まず、黄金は物質として非常に希有な性質を持っています。それは、錆びない、劣化しないという性質です。また、他の金属、例えば鉄などは酸素と結びついた状態の「酸化物」として発見されますが、黄金だけは、単体として、つまり「黄金そのもの」として発見されるわけです。こんな金属は他にないわけです。・・・聞いてますか?

-・・・続けて下さい。

2016_41_02

佐藤:そもそも、物質としての希少性が高いことも特徴と言っていいでしょう。金鉱においても、その採掘量は、1tの土砂から数グラム採掘できれば上出来です。それもそのはずで、地球には銀は銅の百分の一程度しか存在せず、そして金は銀の百分の一程度しか存在しないと推測されています。そして、人類史における金の総採掘量は、国際競技用プール3杯分程度とも言われています。その希少性、そして劣化しない性質によって、古来より人は黄金を希少なものとし、貨幣などに用いてきたのではないでしょうか。

-言われてみれば、黄金は世界各地で価値を持っていますね。

佐藤:ツタンカーメンのマスクを見ても、日本の大仏様を見ても分かるように、黄金とは尊きものの象徴として用いられています。黄金、そして黄金色の価値は世界中の文化で存在感を発揮しています。

ただし、面白いのはその用途です。重く、傷つきやすい黄金は、人類史において用途が非常に限られた素材でした。鉄のような高い汎用性を備えていません。黄金の歴史は、ほぼ装飾品として用いられてきた歴史でもあります。現在では、医薬品を作り出す触媒や携帯電話の部品などとして用いられており、その重要性が高まっています。化学の世界では、 いま第2のゴールドラッシュと呼ばれるほど、研究者の注目を集めているんですよ。

人を惹きつける、黄金色の魔力

2016_41_03

-希少な金属の放つ色だからこそ、黄金色にも価値があると見なされてきたのは分かる気がします。

佐藤:金属に明確な色があること自体、実は珍しいことなんですよ。多くの金属は銀に似た色ですが、はっきりとした色をまとっているのは、銅、そして黄金です。土の中から輝く黄金色の金属が顔を出していたら、やはり目を惹くでしょう。黄金の魅力は人の本能に訴えかける力がありそうですね。2歳になる私の娘も、キラキラ金色に輝くものを見ると興奮しますから(笑)。

-ヱビス好きが、ヱビスビールの黄金色を見るとテンションが上がってしまうようなものですね(笑)。

佐藤:ビールの黄金色も調べたことがありますが、この色合いが生み出されるプロセスもすごく興味深いんです。麦芽の性質や熱の入れ具合といった、複雑な要因とプロセスが重なり、ビールのあの豊かな色合いが生み出されるそうです。化学的な視点から見ても、複雑な要因からあの黄金色を生み出す技術はすごい。職人芸だなと感じますよ。

-ヱビスビールの場合、丁寧に時間をかけて熟成させることで、透明感のある黄金色が生み出されるんですよ。まさに、ビール好きのための錬金術ですね(笑)。

佐藤:黄金を追い求める人の探究心はスゴいですよ。中世の錬金術もそうですし、近代にも海水に微量に含まれる金を取り出そうとした研究者がいました。もっとも、金を1g抽出するために、ドーム球場数杯分の海水が必要だったりと、実用にはほど遠いのですが(笑)。

黄金色の魅力は“永遠に美しく”

2016_41_04

-ビールの色合いとしてはもちろん、それ以外にも黄金色を尊ぶ文化が、日本にはたくさんありますよね。

佐藤:そうですね。古くは岩手県、平泉の中尊寺・金色堂。金閣寺。かの豊臣秀吉も黄金の茶室を作ったように、日本でも古来より黄金色の不思議な魅力は浸透しています。もちろん、現代においても宝飾品として黄金色は普遍的な人気があります。

-黄金色には、なぜかくも不思議な魅力があるのでしょうか。佐藤さんはどうお考えですか。

佐藤:黄金は、劣化しない、錆びないとお伝えしましたよね。こうした不変性、つまり変わることのない美しさが黄金色の魅力なのでは、と考えています。そして、不変という意味では、長い歴史のなかで、変わることなく人に愛されてきた、時間軸のなかでの不変性にも、私はロマンを感じますね。

-ヱビスビールも変わることなく、丁寧な醸造を追求して、長く日本のビール好きに愛されてきた一杯です。ヱビスが奥深い黄金色をたたえる、以外の意味でも、黄金色の存在とヱビスには共通点がありますね。どうもありがとうございました!

2016_bye_can-1
こだわりの素材をじっくり醸し生まれる黄金色ヱビスビールを手にしたなら、まずはグラスの中にご注目あれ。そこにあるのは、こだわり抜いた麦芽を醸し、そして通常の1.5倍の時間をかけて熟成したからこそ生まれる、豊かで、透き通った黄金色です。舌、喉、鼻、そして目も楽しませるヱビスビールの輝きをお楽しみください。