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江戸時代から続く練馬ダイコン栽培を守る渡戸 章さんの絶品たくあん漬け

江戸時代から続く練馬ダイコン栽培を守る渡戸 章さんの絶品たくあん漬け

発売中の『Pen+暮らしを彩る、ヱビスのある時間。』では、私のとっておきの自分時間をテーマに、11組のヱビスビールラバーに登場していただきました。取材では多くのことをお伺いしましたが、限られた誌面では伝えきれなかった裏話をここでは紹介します。

第6回目は、東京都練馬区平和台で練馬ダイコンを長年栽培している、すずしろ農園の渡戸 章さん。練馬ダイコンは現在では江戸東京野菜に登録され、全国的に知れわたる伝統野菜ですが、一時は生産者も減り衰退。しかし地元の農協が旗を振り、渡戸さんを含む3軒の農家を中心に見事に復活を果たしました。

発売中の『Pen+暮らしを彩る、ヱビスのある時間。』ではすずしろ農園にお伺いし、立派に実ったダイコンを見せていただきながら、渡戸さんにインタビュー。ここでは質の良い練馬ダイコンの見分け方や、練馬大根で作ったたくあん漬けについてのお話をしたいと思います。


練馬ダイコン

取材・執筆を担当したライターのTです。

練馬ダイコンの種はほかの品種との交配を防ぐために、現在、渡戸さんを含む計3軒の農園のみで採取しています。そのうちの一つ、白石農園さんには野菜栽培の取材で何度もお世話になっていました。今回、渡戸さんに取材するにあたり、白石さんに、「渡戸さん、取材受けてくれますかねぇ」とお尋ねしたところ、「あの人は練馬ダイコンの広報担当だから、絶対引き受けてくれますよ。私より全然元気だからおもしろい話をいろいろ聞けると思うよ」とのお返事。これは楽しみ! と畑に向かいました。


練馬ダイコン

畑で収穫待ちのダイコンを前に渡戸さんにお話を伺い始めてすぐ、なんてチャーミングな表情をされる方だろう、とすっかり魅了されました。そして、会話のキレが抜群にいい! 

種を採取するダイコンの選抜基準について伺うと、まずまっすぐで形がよいこと、次にダイコンをカットしてみて中にスが入っていないこと。そしてもう一つが……。

渡戸さん「葉っぱがおかめなんだよ」

T「はぁ?」

渡戸さん「はぁじゃなくて葉っぱ。おかめわかる?」

T「福笑いの顔ですね」

渡戸さん「福笑いってあんな目鼻バラバラのやつじゃないよ。しもぶくれの日本美人だ」

T「はぁ? 美人?」

渡戸「だからはぁじゃなくて葉っぱだよ」

この突っ込みの鋭さに私のほうがタジタジに……。楽しくてこちらのテンションも上がりました。

練馬ダイコン
誌面ではご紹介できなかった、渡戸さん曰く「おかめのように美しい」葉がこちら。ダイコンの葉のいちばん先端の葉の形がよいことが、タネ採り用に残して花を咲かせるダイコンの条件の一つだそう。


真っ黒の生醤油漬けは抜群のおいしさ!

練馬ダイコンたくあん漬け

話題が練馬ダイコンのたくあん漬けに及ぶと、渡戸さんはすかさずカットしたたくあん漬けをお皿に盛ってテーブルへ。「まずはみんなで食べてみなさい」と。

そこでその前から気になっていた玄関先に置いてある黒いものが入った保存瓶について聞いてみたところ、練馬ダイコンを生醤油のみに漬け込んだものだそう。


練馬ダイコンたくあん漬け

「これも食べてみなー。こっちのほうがたくあん漬けよりおいしいくらいだ」と渡戸さんがすすめてくれるも、スタッフは遠慮しているのか、それとも漬け込んで1年という真っ黒な物体に怖れを感じているのか、誰も箸を伸ばしません。ここは話を振った責任上、まず私が食べなければ、と覚悟を決めて一切れいただいてみると、これが抜群においしい! 黒さに似合わず、なんともまろやかで深みがあり、個人的にはたくあん漬けより好みかもしれないと感じました。
「これも食べてみなー。こっちのほうがたくあん漬けよりおいしいくらいだ」と渡戸さんがすすめてくれるも、スタッフは遠慮しているのか、それとも漬け込んで1年という真っ黒な物体に怖れを感じているのか、誰も箸を伸ばしません。ここは話を振った責任上、まず私が食べなければ、と覚悟を決めて一切れいただいてみると、これが抜群においしい! 黒さに似合わず、なんともまろやかで深みがあり、個人的にはたくあん漬けより好みかもしれないと感じました。


練馬ダイコンとエビスビール

シンプルで味わい深く、存在感がある。これはまさにヱビスビールのつまみにぴったりの一品です。自家用で販売はしていないものの、ご近所の方はこの生醤油漬けがおいしいことをご存じで、「ちょっと分けて〜」とお皿を持ってくるのだそうです。


練馬ダイコン

さて、練馬ダイコンのたくあん漬けは、江戸時代から江戸の庶民に親しまれ、将軍家にも献上されていたとか。昔と変わらぬ味、性質のダイコンがいまでも栽培されていて、そのたくあん漬けを味わうことができるのも、伝統野菜を絶やさないように努力されている栽培農家さんのおかげです。噛めば噛むほど味わい深いたくあん漬けを食べながら、江戸の人たちも同じ味を楽しんでいたのか、と思うと、江戸時代がそれほど昔のことではないような気がしてきました。元禄時代にはすでに栽培されていたというので、約350年前にタイムスリップさせてくれる、それも伝統野菜の練馬ダイコンを味わう魅力だと感じました。

全6回にわたってお伝えしたPen +「暮らしを彩る、ヱビスのある時間。」の取材ウラ話、いかがでしたか。来月からは、この秋に新しく刊行するPen+第2弾の取材秘話を紹介していきます。ぜひ楽しみにお待ちください。


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