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秋冬限定「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」の味わいと、
缶デザインの変遷をたどる。

秋冬限定「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」の味わいと、<br>缶デザインの変遷をたどる。

2023年11月21日より、「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」が発売開始となります。こだわりの飲食店でのみ提供されていた商品を、家庭でも楽しんでもらえるよう缶で一般販売し始めたのは2006年のこと。2023年で18回目の発売となります。「赤」がテーマカラーの琥珀ヱビスですが、実は毎年、中味だけでなく缶デザインについても少しずつアップデートされていることをご存じでしょうか。今回はその味わいの変遷をたどるとともに、パッケージデザインの歴史を振り返ってみましょう。


琥珀ヱビス プレミアムアンバー
琥珀ヱビスに一部使用されているクリスタル麦芽。“香ばしい薫りと深いコク”を実現。

クリスタル麦芽が生み出す味、香り、色

「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」の特徴は、香ばしい香り、コクのある味わい、そして深みのある液色。これらは、一部使用されている「クリスタル麦芽」(写真上)によるものです。

麦芽を加熱することで、含まれているでんぷんがカラメル化し、水飴のような状態になります。乾燥させると、麦芽がパリパリとした結晶状に。そのキラキラした見た目から、クリスタル麦芽と呼ばれます。通常の麦芽に、吟味されたクリスタル麦芽を一部ブレンドすることで、琥珀ヱビスならではの味、香り、色が生まれるのです。

金のヱビスビールよりも濃厚なので、濃厚な味わいの料理や、ちょっと甘みのある料理とよく合います。醤油や砂糖を使う和食とのマリアージュもおすすめです。みたらし団子、などという変化球もアリかも。チョコレートをおつまみにしてじっくり楽しむという飲み方も、いいかもしれません。

琥珀ヱビスといえば、こうした味わいや香りだけではなく、赤い缶デザインも特徴です。その赤の色味やデザインの変遷について、長年、琥珀ヱビスのパッケージ開発に携わってきたサッポロビール・新価値開発部の田中章生さんに話を伺いました。

一般発売を開始した2006年からの歴代パッケージ。
一般発売を開始した2006年からの歴代パッケージ。共通した赤色のデザインの中にも、少しずつでも違いが見て取れる。

いつものヱビスと違うこと、共通すること

歴代のパッケージを並べてみると、赤の色合いが微妙に違っていたり、ロゴメインのシンプルなものや柄の入ったものなど、年によって少しずつ変化していることがわかります。どういった背景からデザインを変えることになったのでしょうか。

ブランドとしての共通点を持たせながらも、限定品としての特別感も大事にしていると、田中さんは語ります。

「2006年に初めて琥珀ヱビスを世に送り出したのですが、それまでは金のヱビスビールやプレミアムブラックなどがレギュラーのラインナップでした。プレミアムブラックは缶の色を黒にし、デザインそのものは金のヱビスビールを踏襲していました。しかし、琥珀ヱビスは限定品ということで、ロゴや恵比寿様を楕円のラインで囲み、違いを際立たせていました。その方向で3年やったのですが、もっと違いを出したい、店頭で目立たせたいという声もあって、2009年から2011年にかけては、より個性的なデザインが生まれました」

琥珀ヱビスのパッケージデザイン
2009 ・2010年に発売された琥珀ヱビスのパッケージデザイン。シンプルなデザインの中で恵比寿様のロゴが目を引く。

注目してほしいのが、2009年と2010年のデザイン(写真上)です。

「2009年と2010年は唯一、まったく同じデザインを連続して使っています。琥珀ヱビスの時期がくる少し前、キャンペーンに当選した方にだけ配られた超長期熟成ヱビスの缶デザインがこういう感じだったのですが、それがお客様はもちろん小売店様や社内でも好評だったので、琥珀ヱビスもその方向性を活かしたものになったのだと記憶しています。シンプルなデザインでありながら店頭でもよく目立ち、デザインのコンテストでも賞をいただき、2年連続で同じデザインを続けました」

琥珀ヱビスのパッケージデザイン
2011年に発売された琥珀ヱビスのパッケージデザイン。商品名のアルファベット表記が印象的なデザイン。

2年連続でシンプルなデザインを採用したのち、2011年(写真上)にはまた大胆なデザインに戻る形になりました。デザイン変更の経緯を、田中さんは次のように振り返ります。

「同じデザインを続けるとどうしても新鮮味がなくなり、2011年はもっと大胆なデザインにしようとなりました。恵比寿様はいらっしゃいますが、アルファベットの筆記体で“kohaku yebisu”と大きく入れ、いつものロゴは右下に小さく置くという異色のデザインでした。ただ、ロゴの組み方を崩してしまうのはブランドとしてどうなのか、といった議論もあって、2012年からは金のヱビスビールの缶デザインに準じた意匠に戻りました。限定品だから目立たせたいという想いと、ヱビスらしさ、また琥珀ヱビスの世界を感じさせたいという想いを、どうまとめて表現するのか。そのバランスをいつも大事にしています」

琥珀ヱビス プレミアムアンバー
甘味が特徴の「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」は、醤油やみりん、酒、砂糖などの調味料を使った甘味や甘辛さが味わえる料理と合わせるのがおすすめ。

「琥珀」だけれど「赤」を採用した理由

「赤」のイメージの強い琥珀ヱビスですが、ではなぜ、赤がテーマカラーとなったのでしょうか。田中さんが関わる前から決まっていたそうですが、「琥珀ヱビスらしさを表現しつつも、店頭での見つけやすさなどの点から赤色を採用したのでは」と、推察しているそうです。

「色としての琥珀って、厳密には赤色じゃないですよね。どちらかというと、オレンジ色に近いかもしれません。発売前は、琥珀色の表現としてオレンジ色という案もあったようなのですが、オレンジ色ってどちらかというとジュースのような印象を受ける方も多く、ビールらしさという意味では好みが分かれる色なんですよね。店頭での目立ち具合も加味した上で、最終的に赤色となったのではないでしょうか。それも鮮やかな赤ではなく、香ばしい香りやコクのある味わいを感じさせる深い赤です。ただ、その赤の色合いについても世の中の雰囲気や、店頭での見え方などを考えて、毎年、微妙に変わっています。最近は、以前に比べてやや明るく鮮やかになっています。ほかにも、のせる文字の大きさや色、全体にストライプ(2013年)やグラデーション(2019年)、地紋(2016年)などを使うといった細かい工夫も施しています」

琥珀の宝石
ヨーロッパでは幸福を招くものと信じられている琥珀の宝石。2023年の琥珀ヱビスのパッケージデザインではモチーフとなって登場。

2023年の「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」は、「宝石」がモチーフ

では、2023年の「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」のデザインの特徴は、どこにあるのでしょうか。田中さんが発想のプロセスを明かしてくれました。

「2023年は『宝石』をモチーフにしています。琥珀の宝石はヨーロッパでは「幸せを呼ぶ宝石」と言われており、そのイメージをデザインにも取り入れようという話になりました。また、2023年の琥珀ヱビスは麦芽の比率を細かく調整し、美しい液色にも磨きをかけていますので、この液色の美しさも宝石のイメージとピッタリ合うと考えています。ちょっと大胆に黄色やオレンジ色も使っていますし、従来のヱビスファンはもちろん、ヱビスを知らない人にも手に取っていただけるデザインになったと思っています」

年末になると、店頭を華やかにするため、金のヱビスビールと琥珀ヱビスを並べて置きたいと小売店から追加注文が入ることもあるそうです。パーティシーズンのこの季節、家庭でも人の集まる機会が増えるはず。今年は「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」のクリスタル麦芽の生み出す豊かな味わいと、宝石のような缶のデザインで、華やかなおもてなしをしてみてはいかがでしょうか。

琥珀ヱビス

文・POW-DER

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