ギフトページがお中元仕様になりました!
ヱビスマガジン
ビール時間がもっと楽しくなる情報を
お届けするヱビスマガジン!
麦芽100%ではないヱビスとは?
ビールの楽しみを広げる「ヱビス オランジェ」がお目見え。
2023年10月11日に、ヱビスの新ビール「ヱビス オランジェ」がCREATIVE BREW(クリエイティブブリュー)シリーズの第2弾商品として発売されました。ヱビスといえば、麦芽100%ビール。ですがヱビス オランジェでは、なんと副原料を使用しているといいます。なぜこれほど思い切った決断のもとに新商品を開発したのか、醸造責任者であるサッポロビールの有友亮太さんに話を伺いました。
プレミアムビールの先駆者として、挑戦する姿勢は不可欠。
「ヱビス オランジェ(以下、オランジェ)は、濃色の麦汁をベースにオレンジピールを加えた、オレンジ香る濃厚なヱビスです。ビールにはピルスナーやエールなどのスタイルがありますが、オランジェはどれにも当てはまりません。オリジナルのビールであり、この独創性がCREATIVE BREWのコンセプトです」と語るのは、CREATIVE BREWシリーズの醸造責任者である有友亮太さん。
小麦とオレンジピール、そしてコリアンダーでつくられるベルギーの白ビール「ベルジャンホワイト」をはじめ、オレンジピールのフルーティな香りがビールと相性よしであることはわかっています。しかし、ヱビスビールはこれまでドイツのビール純粋令に則り、麦芽100%での製法を守ってきました。それが本商品ではなぜ、副原料を加えたることになったのでしょうか。
現代の多様化した社会が、ヱビスの挑戦を引き出したと有友さんは語ります。
「お客様のライフスタイルや嗜好が多様化しているなかで、ビールに使う原料も多種多様になっています。自由度が増すにつれて、ビールのおいしさはますます広がっていくでしょう。金のヱビスビールはこれからもビール純粋令に則り、麦芽100%でヱビスならではのおいしさを追求し続けます。しかし、ヱビスはプレミアムビールの先駆者です。日本のビール黎明期に本場ドイツの味わいに挑んだ先人たちの意志を引き継ぎ、今の時代にヱビスで新たな挑戦をすることは、ブランドとしてもいい機会。だからこそ、CREATIVE BREWではこれまでのヱビスのビアスタイルにとらわれない、よりビールの世界を広げるような商品を提案したいと思ったんです」
原材料にこだわる、ヱビスの根幹は変わらない。
ヱビスにとってひとつのターニングポイントとなることが期待される、このオランジェ。ただ、1890年の発売以来、ヱビスが大切にしてきた「もっとおいしいビールを届けたい」という想いは変わりません。有友さんは開発までの経緯を、次のように説明します。
「ヱビスで特に大切にしているのは、原材料の吟味です。オランジェに使用しているオレンジピールも例外ではなく、世界中の産地のものを使って試醸して、その結果、ことにフルーティさが感じられたカリフォルニア産を採用しています。また、ホップはオレンジピールと相性のよい、柑橘系の香りが特徴のカスケードという品種をセレクト。さらに、秋冬のビールにぴったりのなめらかで濃厚な味わいを実現するため、小麦麦芽、濃色麦芽、カラメル麦芽という3種の麦芽を使用しています。ベースのイメージが決まってからは、ホップやオレンジピールの添加のタイミングを何度も調整して試飲をして……の繰り返し。毎日飲んでいただけるビールとなるように、ヱビスならではの上質で豊かなコクを保ちながらも、ほのかな柑橘の香りと複雑な余韻が感じられる味わいに近づけました」
今後も、驚きと新たなビールの世界をヱビスを愛する人々にもたらすべく、商品開発に邁進するという有友さん。CREATIVE BREWシリーズのこれからの展望について訊きました。
「ヱビスビールが誕生してから100年以上が経ちますが、この先100年も、私たちはビールという飲み物でお客様を幸せにしていきたいし、ビールの魅力をもっと知っていただきたい。ヱビス好きのお客様は知的好奇心が旺盛で、こういった新たな挑戦を好意的に受けてとめて、楽しみにしてくださっていると感じています。オランジェを飲んでいただければ、『ヱビスのおいしさって、まだまだ広がりがあったんだな』と感じてもらえると思いますので、是非お試しください」
写真・山本雷太