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初鰹ってなに?大人のビール飲みなら知っておきたい旬の魚をプロの魚屋さんに聞いてみた!

初鰹ってなに?大人のビール飲みなら知っておきたい旬の魚をプロの魚屋さんに聞いてみた!

今日も今日とて、魚売り場に足を運べば、そこに並ぶは、色とりどりの海の幸。どれも美味しそう、なのですが、せっかくイケてるビールをカゴに入れているのであれば、選ぶ魚も旬のイケてるものがいい。
しかし、しかしですよ。選べます?イケてる魚。春先ならば初鰹、なんとなく聞いたことがある。でもなぜ鰹が春は美味しいの?鰹の他には何が旬なの?
旬の魚にまつわる疑問、なんならプロの魚屋さんにぶつけてしまいましょう。いま、都内に次々と店舗がオープンしている、スタイリッシュな鮮魚店、sakana baccaに足を運び、春の晩酌を美味しく彩る、“いまが旬“の魚をばっちり聞いてきました!

魚の旬にも種類があるって、知ってました?

旬の魚に詳しい人

sakana bacca梅ヶ丘店・店長 見元 拓さん

鮮魚専門店「sakana bacca」は商店街に位置し、入りやすさを兼ね備えたガラス張りの店舗や、ブルーのシャツにヒッコリーストライプのパンツという、鮮魚店らしからぬオシャレな制服が目を引く。今回お話を聞いた見元さんは、鮮魚小売りの世界で12年以上のキャリアを持つベテラン。その知識は魚そのものはもちろん、料理法まで広範にわたる。

―さっそくですが、魚の旬とはいつのことを指すのでしょうか?
見元:魚の旬は厳密には、脂がのっていて市場にも多く出回り、価格が下がり値段が手頃になる10〜14日間のことを指します。ですが、魚屋の世界ではそこまで厳密ではなく、春夏秋冬で旬を区切るのが一般的ですね。ひとことで「旬」と言っても、走り・旬・名残の3つを合わせて広く「旬」と捉える場合もあるんです。

—え!?旬にも種類があるんですか?
見元:「走り」は「初物」と呼ばれますが、旬になり一般に出回るよりも前に、早く食べることを、粋な楽しみと捉えていたことに由来していると言われています。「走り」の魚は、市場への供給量が少ないので、価格は水揚げの最盛期と比べると高い傾向があります。「走り」の代表とも言える鰹、いわゆる初鰹は江戸時代には、3両(現在の30万円程度)で取引されたなんて記録も残っているようです。逆に「名残」は、旬が過ぎてそろそろ終わりとなる食材を惜しむ考え方です。


―春が旬の魚にはどんなものがあるのでしょうか?
見元:やはり、関東ではなんと言っても「初鰹」ですね。先程お話しした、「走り」に分類されるものです。春は八丈島付近や千葉沖など東京近郊で取れた鰹が日戻り船で水揚げされるため、翌日や翌々日には店頭に並びます。初鰹の魚体は2〜3キロ程度と小ぶりですが、鮮度は抜群。脂が少なくさっぱり食べられるのが特徴です。

美味しい初鰹はこう選ぶ!


―せっかく買うなら、美味しい鰹を食べたいです!初鰹を購入する際に注意したい、鮮度の見分け方を教えてください。
見元:初鰹の鮮度は2つのポイントで見極められます。1つ目は、魚体が見られる場合に限られてしまうのですが、腹の横縞模様がはっきりしているかどうかです。鮮度が低下すると模様がぼやけてしまいます。

見元:2つ目、さく(刺身用の大きな切身)の場合は、赤みや血合いの色を見ます。鮮度が高いほど、赤が鮮明で、時間が経つにつれて茶色に濁っていきます。
鮮度とは直接関係ありませんが、さくの場合は白い部分の多さで脂の多さも見極めることが出来ます。白い部分が多いほど脂が多いのです。

初鰹、美味しくいただくには、やっぱりアレ!

―初鰹だからこその美味しい食べ方はあるのでしょうか?
見元:一般的に魚は、脂がのっているものが美味しいとされますが、初鰹に限っては、脂が少ない背の部分がおすすめです。戻り鰹(秋の餌を沢山食べて脂の乗った鰹)と比べて、魚体が小さく脂の少ない初鰹。鰹の味が濃いのもこの時期ならではの特徴です。だからこそ、脂の少ない背の部分を食べるのが粋というわけです。


−なるほど。初鰹らしい“美味しいところ“をいただくというわけですね。
見元:そうです!そして初鰹なら、食べ方のおすすめは断然「たたき」です。皮目を炙ってつくるたたきは皮目が薄く脂の少ない初鰹に最適です。鰹のコクが強調されるので、ヱビスビールのコクと合わさってお酒がすすみます。
もちろん、シンプルに刺身やカルパッチョにしたり、細かくたたいて洋風のタルタルにしても美味しく食べられます。少し変わったものだと、身を大きく切って油で揚げる鰹カツなど幅広い食べ方ができるのも鰹の魅力です。

まだまだある!ヱビスビールがすすむ旬の海の幸

―今晩のビールのお供は、もう鰹に決めました(笑)。とはいえ、春が旬のものは他にもありますよね?
見元:もちろんです!初鰹以外では、貝類やホタルイカ、マガレイも春が旬ですね。たとえば、アサリは春になると殻が薄くなり、身が厚くなります。ホタルイカは、春には産卵のために海岸付近に一気に集まります。カレイは種類によって旬が違います。冬は「ナメタガレイ」、春は「マガレイ」が旬です。僕の好きな「マコガレイ」は夏が旬ですね。
旬は地域や季節でさまざまなので、いま何が旬で美味しい時期なのかは、僕ら魚屋に聞いてもらうのが一番だと思います。


―ちなみに春が旬のアサリやカレイについても鮮度の見分け方や美味しい食べた方があれば教えてください。
見元:アサリは生きているものを選ぶのがポイントです。貝殻の開き具合やにおいで鮮度が見分けられます。死んだアサリは、貝殻が開き、においがきつくなります。ホタルイカは傷みが早いので、水揚げされてすぐ釜茹でにされるものが多いですね。マガレイは身に透明感があって張りがあるものを選びます。乳白色になっているものは少し鮮度が落ちているものです。
おすすめの食べ方はそれぞれ、アサリは酒蒸し、ホタルイカは酢味噌和え、マガレイは煮付けです。アサリは、肉厚になる春だからこそ酒蒸しにして欲しいですね。ホタルイカは酢味噌和え以外にも、カレーに入れたり、甘辛く炊いたりと楽しめます。


―旬のものを、最適な調理法で食べるのは本当に贅沢ですね!
見元:そう思います。いまは流通が発達していて、旬をそれほど意識しなくても、いつでも大半の魚が食べられるようになっています。しかし、せっかく美味しいお酒を用意するのであれば、季節の移り変わりを感じながら「走り」や「旬」のものを味わって欲しいと思います。

―いつでも、なんでも手にすることができる、いまだからこそ、旬を味わうのが贅沢、というわけですね。ビールは贅沢にヱビスを手に入れたら、それに合わせるなら教えていただいた旬の魚。もう晩酌が待ちきれません!今日はありがとうございました。

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