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※「Pen」2015年12月15日号掲載の記事です。

開運招福や商売繁盛を願う祭り「酉の市」は、縁起熊手の賑やかな露店が名物だ。鯛や黄金色の小判、七福神などの飾りが施された豪華な熊手には「幸福をたくさんかきこめるように」と祈りが込められている。
「江戸時代にはシンプルなつくりだった熊手も、年を追うごとにどんどん華やかになっていきました」と、中村屋の代表、片山裕彦さん。都内最大手の縁起熊手屋だ。

熊手はひとつひとつ、個性的な顔がある。

熊手に設計図やマニュアルはない。販売は酉の市のある年末だけだが、作業は1年を通じて行われる。熊手は大小にかかわらず、数人の職人でひとつずつ、つくり上げていく。
伝統を継承しながら、西陣織に水引の「寿」をあしらった帆かけや御神輿の飾りは、中村屋が発祥。これまでにないモチーフをつねに探している。「新しいものをつくれば真似もされちゃうけど、真似される立場の方が楽しいからね」
毎年、熊手の新しいデザインを考案するのは、奥様の敏子さん。
「お客さまから『熊手を買ってから、悪いことが起きないよ』と言われるのは嬉しいです」と明るく話す。
「飾り付けが同じ熊手でも、手づくりだからやっぱり少しずつ違う。そしてどんな熊手を欲しいと思うかも、お客さんによって違う。そういう違いが生まれるのが面白いですし、気に入って買ってもらえた時が一番の喜びです」
自分にふさわしいと思った熊手こそが、一番の縁起物。縁起がよければ笑顔もあふれる。

 年の瀬の特別な雰囲気によく似合うヱビスビールも、時代を見据え常に品質を追求し続けている。ちょっと贅沢さを感じる金を背景にした恵比寿様の笑顔は、飲む人を祝福してくれているようでもある。
年に一度だけ新宿・花園神社の酉の市に並ぶ縁起熊手も、特別なヱビスビールも、よりよい未来を手にしたいと願う我々の希望をかたどったものなのかもしれない。

人々の幸せを願って、進化するデザインと品質。

お神輿がのった熊手は、中村屋の定番縁起熊手。「去年と同じ熊手はつくらない」がモットーの中村屋では、定番のものも毎年少しずつデザインが変わる。縁起はもちろん、質のよさや耐久性も重要視。お客様に喜んでもらえることを第一に、細かいところまでつくり込む。商品を手にとった時の幸せを考え、品質を追求するのは、ヱビスビールも同じだ。

岡部 浩・写真 photographs by Hiroshi Okabe
加藤茶子(N35)・文 text by Chako Kato
田中康嗣(和塾)・協力 cooperation by Kouji Tanaka

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