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東京で花見を楽しむ

東京で花見を楽しむ
東京・隅田川沿いの桜

まもなく本格的なお花見シーズンが到来。ニュースでは桜の開花が春のたよりとして報じられ、花見を楽しみに浮き立つような気持ちになる方も多いのではないでしょうか。今回は花見の文化についてご紹介します。

東京の花見文化は、吉宗がつくった?

お花見の風習が定着したのは、徳川8代将軍・吉宗の功績だとされています。当時、吉宗は「享保の改革」の一環として倹約令を出し、民衆に贅沢を禁じます。その一方で、大規模な桜の植樹を行い、江戸の各地に行楽地を作り上げました。その場所は飛鳥山や隅田堤、御殿山など今でも桜の名所といわれるところばかり。桜が咲くと、人々は弁当を片手に花見に繰り出したといいます。その様子は多くの錦絵に残されており、いかに江戸時代の人々も桜を愛したかがうかがえますね。

東京の花見文化は、吉宗がつくった?
家の菩提寺である寛永寺の境内に、徳川家光が吉野を模して桜を植樹させたのを始まりに上野一帯は桜の名所となった。左:渓斎『東都花暦 上野清水之桜』国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1305141
東京・飛鳥山公園
東京・飛鳥山公園。当時江戸近辺の桜の名所は寛永寺周辺くらいしかなく、花見の時期は風紀が乱れたため、庶民が安心して花見ができるように吉宗が桜の木を数千本植樹させた。左:広重『名所江戸百景 飛鳥山北の眺望』国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1312253 

ソメイヨシノ以外にもいろいろある、桜の品種。

さて、吉宗が植えた桜はヤマザクラという品種。花と同時に赤みを帯びた葉が生えてくるのが特徴です。当時は、多様な品種の桜が各所に植えられていました。花の色も咲く時期も品種ごとに異なり、1ヶ月ほど花見の季節を楽しむことができたといいます。

ソメイヨシノ以外にもいろいろある、桜の品種。
左:ヤマザクラ 右:ソメイヨシノ

一方で、現在、目にする機会の多いソメイヨシノ。一斉に花を咲かせて、私たちの目を楽しませていますが、日本にある桜の7~8割がソメイヨシノであるとされています。ソメイヨシノは江戸時代後期に生まれた品種で、江戸の染井村(現在の豊島区周辺)で奈良の吉野山にちなんで「吉野桜」として販売されたのが始まり。その後全国的に広まりますが、調査によって吉野に多く咲くヤマザクラとは異なる品種であることが判明。混同を避けるためにソメイヨシノと命名されました。

左:オオシマザクラ 右:寒緋桜
左:オオシマザクラ 右:寒緋桜

日本には他にも数百種の桜が存在します。白い花を咲かせるオオシマザクラ、小ぶりな花を咲かせるエドヒガン、早春に濃いピンク色の花を咲かせる寒緋桜や河津桜など。ソメイヨシノの花期が終わっても、こんもりとボタンのような花がかわいらしい八重桜が盛りを迎えます。

東京・紀尾井町の八重桜並木
東京・紀尾井町の八重桜並木

2023年は待ちに待った花見の宴会が解禁。「花より団子」もいいですが、花見の文化を知り、「団子も花も」をじっくり愛でるお花見はいかがでしょう?

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