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神秘的な滝と“まぼろし”の
ジャガイモを探しに、いざ東京の山奥へ。

Pen 2017年8月15日号より転載・加筆修正
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神秘的な滝と“まぼろし”の<br>ジャガイモを探しに、いざ東京の山奥へ。

雑誌『Pen』でかつて掲載したなかから、過去に発売されたヱビスとともに旬の絶景と郷土の味にまつわる記事を再掲出します。

旬の絶景と郷土の味に、ヱビスで乾杯!

東京都心から西に約50㎞。伊豆・小笠原などの島を除いて東京都では唯一の村となる檜原村(ひのはらむら)の山中に、この滝がある。「払沢(ほっさわ)の滝」。清流が白く輝きながら落ちていく様子が、獣毛などを束ねて柄をつけた仏具「払子(ほっす)」を垂らしたように見えることから、昔は払子の滝と呼ばれていた。それがやがて払子の滝沢、払子の沢、払沢になったといわれる。

全長は約62mで4段に分かれているが、遊歩道から見られるのは最下段で、落差は約23・3m。派手さはないが、高貴でたおやかな風情が魅力だ。滝壺も深く神秘的で、かつて大蛇が棲んでいたという伝説が残っているのも納得できる。東京では唯一の「日本の滝百選」であり、2023年は8月14日から20日までライトアップ。幻想的な光景が見られる。最終日にあたる19日と20日には、「払沢の滝ふるさと夏まつり」も予定されている。

滝壺を打つ音しか聞こえない深閑とした雰囲気の中で、木漏れ日を受けて虹色に煌めく清流から優しい涼風が漂ってくる。日本の夏ならではの快感を味わえる絶景といえよう。

払沢の滝
この時季にしか見ることのできない、ライトアップされた払沢の滝。幻想的な光景が浮かび上がる。

“まぼろし”のジャガイモを、ネギ味噌でいただく。

檜原村には特産の「おいねのつる芋」があり、4月に植えて夏が旬となる。明治初期に、おいねさんが山梨県から種芋をもって嫁入りしたのがルーツといわれる。昼夜の寒暖差が大きい気候が栽培に向いており、江戸東京野菜にも認定されているが、生産者が限られているため、“まぼろし”のジャガイモとされてきた。

これを蒸してネギ味噌と合わせてみた。ジャガイモといえば「ホクホク」だが、こちらは「しっとり」。ネギ味噌が引き出す控え目な甘さに、キメ細かな泡立ちのヱビスビールがよく合う。“まぼろし”の味とプレミアムビール。相性のよいマッチングである。

おいねのつる芋とネギ味噌
小ぶりなので食べやすく、ネギ味噌が心地よい刺激となって旨さが後を引く。口直しにはなんといってもプレミアムなヱビスビール。コクの深い素敵な喉越しの清涼感を満喫していただきたい。

おいねのつる芋とネギ味噌

*材料*

  • おいねのつる芋
  • ごま油…大さじ1
  • 生姜…1片
  • にんにく…1片
  • 長ネギ…2本
  • 味噌…大さじ4
  • しょう油…大さじ1/2
  • 砂糖…大さじ2
  • みりん…大さじ2
  • 酒…大さじ1

*作り方*

  1. ネギ味噌をつくる。フライパンにごま油を熱してみじん切りにした生姜とにんにくを炒める。香りが出たら、粗みじん切りにした長ネギを加えてしんなりするまで炒める。
  2. あらかじめ混ぜ合わせておいた調味料を1に加えて炒める。水分が飛んだら完成。
  3. おいねのつる芋を蒸して、器に盛り付け、2をつけていただく。

アクセス

払沢の滝JR武蔵五日市駅より西東京バス「払沢の滝入口」「藤倉」「払沢の滝入口経由」「やすらぎの里経由」の「数馬」行きに乗車。「払沢の滝入口」下車、徒歩約15分

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