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自然が生み出した洞門と天の川を眺めながら、
幻の「黄金のサバ」に思いを馳せる。
雑誌『Pen』でかつて掲載したなかから、過去に発売されたヱビスとともに旬の絶景と郷土の味にまつわる記事を再掲出します。
自然が生み出した希有な絶景。
冬らしい厳しい冷え込みを感じるようになると、空気が澄み渡って夜空の星々がはっきりと見えるようになる。神奈川県・三浦半島南端の城ヶ島は、美しく沈む夕陽を経て、煌めく星空が眺められる名所とされている。中でも島のさらに南端、海に突き出た格好の赤羽根崎にある「馬の背洞門(うまのせどうもん)」は、天の川を観察するスポットとして有名だ。
この洞門は火山性の軟らかな岩質でできており、海の波や風雨などが長い歳月をかけて浸食したことで、みごとなアーチ状に造形されたという。以前は下部が海中に沈んでおり、船がくぐり抜けることもできたが、関東大震災で地面が大きく隆起。海上に全貌を現すことになった。崩落の危険があるので、「馬の背」にあたる細い通路も現在では通行禁止になっている。
星よりも洞門に目を奪われてしまうが、ほぼ真上に天の川の流れを望める。夜空に浮かんだ淡い光の帯と地上の奇岩の組み合わせは、自然が図らずも生み出した希有な絶景といえるだろう。
プロの釣り師が漁獲する、高級ブランド「松輪サバ」
この季節はサバが旬を迎えるが、三浦市には関サバと並ぶ高級ブランドの「松輪サバ」がある。胴体に黄色の筋が入ることから「黄金のサバ」とも呼ばれる。松輪港で水揚げされることが名称の由来だが、漁法はなんと一本釣り。サバには指1本触れず針を外して魚倉に収められるプロだけの仕事だ。残念ながら撮影時には海流の変化で入手不能。まさに幻の高級魚である。
代わりに普通のマサバを塩焼きにしたが、旬だけに脂の乗った切り身が口中で充実した旨味に変わる。これに合わせたいのは、やはりヱビスビール。コクの深いのど越しが脂を流し去り、鼻を抜ける芳醇な香りがサバの風味をリフレッシュするのである。
サバの塩焼き
*材料(2人分)*
- サバ…1尾
- 塩…適量
- すだち…2個
- 大根…適量
- 銀杏…2個
*作り方*
- サバは3枚におろして3等分に切り、塩を振って炭火で焼く。
- 器に1とおろした大根、すだち、銀杏などをあしらう。
アクセス
京浜急行三崎口下車、京急バス「城ケ島行き」乗車、白秋碑前下車、徒歩約10分。
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