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北九州市で春の到来とともに食される、地元名産の「合馬たけのこ」。
竹林面積 約1500haを有する北九州市のなかでも、合馬地区で採れるタケノコはその香りと柔らかさでブランド化され、京都や大阪の市場で高価な極上品として取引されている。

待ち望まれる、この時季だけの特別な味わい

「えぐみが少なく柔らかいんですけど、しっかりと歯ごたえがある。」
北九州で60年以上の歴史を持つ老舗日本料理屋 観山荘本館の川畑さんは合馬たけのこの魅力についてそう語る。

GWまではいろいろなメニューで合馬たけのこを使用しているが、なかでも新タケノコの炭火焼を楽しみに来るお客さんが多いとのこと。

「芳ばしい香りが鼻を抜けるのが、一番の特徴です。」

出る前に掘るのが、合馬たけのこ

祖父から3代続くタケノコ農家、合馬たけのこ体験園の三村訓章さんは足取り軽く竹林の山を登り、タケノコを発見する。

「他の地域と違うやり方よね。合馬は、いかに地中のタケノコを見つけて掘るか。」

地表に出てきたタケノコを掘るのが一般的なイメージだが、地の中にあるタケノコを見つけて掘るのが合馬のやり方。
下から伸びて膨らんだタケノコが作るわずかな土の盛り上がりと、地面のかすかな割れ目を見逃さない。

地質と人の手が育んだ、宝の山

合馬地区も、元々は他の地域と同様に地上に出たタケノコを掘る方法だった。
缶詰への加工品が中心のタケノコ生産を行っていたものの、中国産タケノコとのコスト競争に押され、存続が危ぶまれる農家も出てきた。

転機が訪れたのは約30年前。合馬は”客土”という方法をとりはじめた。
地表に5cm〜10cmの土を被せ、地表にタケノコが出ないようにする方法だ。
こうしてタケノコがまだ地中にあるうちに掘ることで、柔らかくおいしい合馬たけのこを世に届けることができるようになった。

また、成長の早い竹を相手にする以上、毎年手を加えないと竹林は荒れる。
客土だけではなく、竹林の手入れも欠かすことはできない。

「掘るのは結果で、そこに至るまでの管理が大事。地面が綺麗じゃないとタケノコは探せない。」
と三村さんは語る。

赤褐色の粘土質という合馬の土壌はタケノコには適しているそうだ。
しかし、そこに客土という方法や人の手が加わることによって合馬たけのこが生まれる。

「日々の手入れが大事に、いかに愛情をかけるかよね。」

「筍」という漢字は、「竹冠」に「旬」と書く

他の作物はハウス栽培でできるので年中いつでもある。
しかし、この生タケノコというのは3月初めから4月いっぱいしか採れない。

「作物のなかで唯一、旬を感じられる贅沢ですよね。」

掘りたての合馬たけのこと春を感じる喜びをヱビスビールで乾杯する。
ここに、ニッポンの幸せ。

◆名称:観山荘本館
◆住所:〒802-0064 福岡県北九州市小倉北区片野2丁目19-18
◆電話:093-921-5877

◆名称:合馬たけのこ体験園
◆住所:〒803-0263 北九州市小倉南区大字辻三452
◆電話:093-452-3213

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