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【7月】夏はそうめんの魯肉和え麺と、
鰻のキンパ
旬のものを焼く・煮る・彩りを添えて、季節のごはんをいただきゆっくりヱビスで乾杯する。
家でできる小さなしあわせのヒントをあなたの日々に届けられたら幸いです。
梅雨が明けると夏本番。二十四節気では七夕の日を境に小暑を迎え、23日頃の大暑までは一般的には暑さの厳しい「暑中」の時季です。真っ青な空のもとであざやかな黄色のひまわりが咲き始める風景のなか、家族や自分への暑中見舞いならぬ、暑中の涼味とエネルギーを見出だすことのできる満足感たっぷりの料理を楽しんでみませんか。
五香粉が香る具だくさんご馳走「そうめんの魯肉和え麺」
いづいさんのひとこと
七夕のとき、わが家では折り紙でつくった短冊に願いごとを書いて家族で楽しみます。それとともにわが家の七夕に欠かせないのがそうめん料理。味がシンプルで飽きがちなそうめんですが、五香粉を使ってパンチを効かせた味つけにすることで、食べ応えと満足感ある1品になります。代表的な台湾料理の魯肉(ルーロー)は、火が通りやすい赤身多めのひき肉を使用。たれは汁気がある状態にすると水気をとった麺とよく絡まり、魯肉飯とはまったく別物のおいしさを演出します。そうめんはアジアン系の味と相性が良く、生野菜と肉そぼろのナンプラーがけや、麻婆和え麺にするのもおすすめです。
七夕になぜ願いごと?
7月7日は、「七夕(たなばた)」。桃の節句や端午の節句のように季節の節目となる五節句のひとつで、短冊を結んだ笹竹が飾られる風景は夏の風物詩です。中国から伝わった織姫と彦星の星伝説と裁縫上達を祈る行事に、棚機(たなばた)という織機で織った着物を供えて豊作やけがれを祓う日本古来の風習が、やがてお盆を迎える準備として7月7日の夜に行うことと交わり、現在の七夕となったとされています。
平安時代は宮中行事で、食べ物を供えて星をながめ、香をたいて、楽を奏でて詩歌を詠み、願いごとをけがれとともに川に流しお祈りをしていました。江戸時代になり五節句のひとつとなると、庶民の間にも広まり、星に祈るお祭りへと変わっていきました。また、その頃、中国から伝わった縄形に編んだお菓子から次第にそうめんを食べる風習になっていったそうです。
そうめんの魯肉和え麺 印刷用レシピページはこちら
*材料* 2人分
- 豚バラブロック肉…100g
- 豚ひき肉…100g
- 干ししいたけ…1枚
- 塩…小さじ1/4
- 酒…小さじ1
- そうめん…200g
- しょうゆ…大さじ1と1/2
- 砂糖…大さじ1と1/2
- 五香粉…小さじ1弱
- 水…50cc
- ゆで卵(半熟)…1個
- 香菜、赤玉ねぎの薄切り、糸唐辛子、花椒、ラー油…好みで各適量
*作り方*
① 魯肉(ルーロー)をつくる
干ししいたけは耐熱容器に入れて水(分量外)をひたひたよりやや多めに加え、電子レンジで1~2分加熱し、5分放置して戻す。汁気をしぼって、石づきを落とし、粗みじんにする。豚バラ肉は5㎜幅の細切りにして塩と酒を各半量ふり、豚ひき肉に残りをふる。
フライパンを弱火に熱し、豚バラ肉としいたけを炒め、肉が白っぽくなったらひき肉も加えて炒める。ぽろぽろにほぐれたらAを加え、中火で1~2分炒め煮にする。
② 麺をゆでる
そうめんを袋に表示の時間通りゆで、氷水で冷やす。布巾などで水気をしっかりとり、少量のごま油をまぶしておく。
③ 盛りつける
器にそうめんを盛り、具をのせ、ゆで卵を半分に切って添える。お好みで香菜や水にさらした赤玉ねぎの薄切り、糸唐辛子、花椒をのせ、ラー油をかける。
ごま油が香ばしい、夏バテ知らずの「鰻のキンパ」
いづいさんのひとこと
土用丑の日が近づくとやはり鰻を食べたくなりますね。わが家では鰻を何匹も使わなくてもちゃんと鰻感が出るように、ちらし寿司にしたりキンパにしたりします。キンパはすし飯をつくる必要がなく、ごはんに白ごま、ごま油、塩を混ぜるだけなので簡単です。たくさん入った具材の相乗効果によるおいしさが巻物の魅力。ふわっと巻くと口のなかでホロッとほぐれるおいしさが格別なので、意識して巻くのが大事です。ほかに焼いたお肉や、お刺身、残りもののきんぴらやナムルなど、野菜のおかずでも立派なキンパになりますので気負わずにつくってみてください。
土用丑の日が鰻の日となったのは?
土用とは、季節の変わり目に訪れる「立春」「立夏」「立秋」「立冬」前の約18日間を指す雑節のこと。丑の日は十二支で数えたときの2番目の日にちを言います。今年は7月30日となる土用丑の日は、一般的に立夏になる前の期間の丑の日を指し、古くから暑さで体調を崩さないように鋭気を養うため、丑にちなんで「う」のつく梅干しやうどん、瓜などを食べていました。
「う」のつく食べ物でも鰻を食べる習慣が始まったのは、江戸中期以降から。諸説ありますが、有名なのが蘭学者で発明家の平賀源内が発案したという説です。夏に鰻が売れないと悩んでいた鰻屋が源内に相談したところ、現在の広告文である引札に「土用丑の日、鰻の日。鰻は腎水をまし、精気を強くし、食すれば夏負けすることなし」という張り紙を店先に貼ることを提案されます。その通りにしたところ、店は大繁盛になったといいます。たしかに、栄養素を豊富に含む鰻は、真夏の暑さで疲労した体を守ってくれそうですね。
鰻のキンパ 印刷用レシピページはこちら
*材料* 2本分
- 鰻…1/2尾
- きゅうり(千切り)…1/2本(50g)
- にんじん(千切り)…50g
- 塩、ごま油、ごま…少々
- 万能ねぎ…2本
- たくあん(あれば白いものを)、しば漬け・・・各25gずつ
- 卵…1個
- 砂糖…小さじ1
- サラダ油…少々
- たきたてごはん…1合
- 塩…小さじ1/2
- ごま油…小さじ1
- 白ごま…大さじ1
- 青じそ…4枚
- 海苔…2枚
*作り方*
① 具材をつくる
鰻は棒状に4本にカットする。きゅうりとにんじんを千切りにする。にんじんは耐熱容器に入れ、電子レンジに1~2分かけ、塩、ごま油、ごまを加え、まぶす。たくあんやしば漬けも同じく千切りにし、ごまをまぶす。万能ねぎは海苔の幅に合わせて切る。
ボウルに卵を割り入れて混ぜ、砂糖を加えてさらに混ぜる。フライパンに薄く油をひき、弱火にかける。温まったら卵を流して全体に広げる。表面が乾く前に端を持ち上げて半分に折り、まな板の上に取り出す。冷めたら1㎝幅に切る。
たきたてごはんにAを加え、混ぜる。
② 海苔で巻く
巻きすの上に海苔を置く。海苔の面積の1/4程度の大きさの浅めのタッパー等の容器の底を軽く水でぬらし、ごはんを薄く平らに敷き詰め、海苔の上にのせる。これを3回繰り返し、ごはんを海苔全体に均一の厚さに広げる。
いちばん手前に万能ねぎ、きゅうり、にんじん、たくあん、しば漬け、薄焼き玉子、うなぎの順に具をのせる。その上に青じそを重ね、青じそで具材を押さえながらのりで具材を巻き込む。
2)具材を重ねる際は、こんもりお山をつくるイメージで。最後に面積の大きいものをのせると巻きやすくなります。
3)最後に面積のある青じそで覆いながら巻くと、細かい具材がボロボロっと広がらなくなります。意識して全体をふわっと巻くと、頬張ったときのほろほろとほぐれるおいしいキンパに仕上がります。
③ 仕上げ
海苔の上の面に刷毛でごま油(分量外)を薄く塗り、白ごま(分量外)をふり、食べやすい厚さに切り分ける。
●ヱビスビール
1890年の誕生以来、本場ドイツのおいしさにこだわり続け、本物のビールの先駆者として、変わらぬおいしさを届け続けてきたヱビス。麦芽100%、ヱビス酵母、ふんだんに使用されたバイエルン産アロマホップ、そして長期熟成。吟味しつくされた原料と製法がつむぐ、旨味あふれる、ふくよかなコクをお楽しみください。
いづい さちこさん
「くにたちの食卓 いづい」主宰。料理家。出張教室、季節のイベント、キッズ教室の開催、カフェのメニュー開発、料理やお菓子の注文販売など幅広く活動する。
http://kunitachinoshokutaku.com/
文・喜多布由子 写真・山本雷太